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Go言語でAtCoder参加時のテンプレートと注意すべきポイント

Go言語用AtCoderテンプレート
Aru

この記事では、Go言語でAtCoderに参加する際の注意点と、入出力処理や基本的な関数を含むテンプレートコードを紹介します。特に、Go言語を初めて使って競技プログラミングに挑戦する方に向けて、Go特有の注意すべきポイントや実践的なヒントをまとめました。これからAtCoderに参加する際の参考として、ぜひご活用ください。

はじめに

Go言語でAtCoderに挑戦している人は少ないため、需要があまりないかもしれませんが、Goで参加する際にはいくつかの注意点があります。これからGo言語を使って競技プログラミングに挑戦しようとしている方は、ぜひ参考にしてください。

私が普段使っているテンプレートコードを共有しますので、よろしければ活用してみてください。このテンプレートを基に、自分のスタイルに合わせてカスタマイズしていただければと思います。

その他のAtCoderに役立つ記事の一覧

入出力に関して

AtCoderでは、標準入力から入力して、標準出力へ結果を出力しますが、この部分についてGo言語では注意する点があります。

標準関数が遅い

Go言語の標準のfmt.Scan()fmt.Println()などの関数は、結構遅いです。

入力するテキストの量が少ない場合は、いいのですが、入力が多くなると、読み込みだけで相当な時間がかかってしまいます。

実際、AtCoderの問題を解き始めた頃、入力が遅いせいでTLEになったということがありました。この時は、原因が全然わからなくて悩みました。基本、自分のミスを疑うので、まさか標準入力が遅くてTLEとは思いませんので・・・

ちなみに、Go言語のPrintlnが遅いのは、毎回入力をflashしているからです。Printlnを行うたびに出力バッファの内容が出力されるまで待つので遅いという感じです。これを解消するには、fmt.Fprintlnといったファイル書き出し関数を利用しなければなりません。こちらの関数では出力はバッファリングされまとまった量を一気に出力してくれるので見違えるほど高速になります。

インタラクティブ問題では、バッファリングされてしまうので、fmt.Fprintlnを使う場合は、明示的にflushする方が良いです。

fmt.Scanは、bufioという標準のライブラリを使って読み込む方法が良いかと思います。ただ、こちらもデフォルトで使うとトラブります

bufioには、一度に読み込める文字数に制限がある

読み込み速度を高速化するために、bufioというライブラリを利用できるのですが、デフォルトではバッファサイズが小さくて、一度に読み込める文字数に制限があるという罠があります。

このため、出題によっては、1行が読み込めずに途中で切れてしまいます。

これについては、バッファサイズを変更することで対応できますが、知らないとハマります。

標準入出力でハマるというのは結構罠です。最初悩みました。

標準で用意されている関数について

min, maxさえ無い

他の言語では普通に使える関数が結構存在していません。例えば、min, maxでさえ用意されていません。このあたり、毎回作っていると手間です。

テンプレートを作っておくことをおすすめ

テンプレート例

Go言語でAtCoderに参加している人をみると、結構な確率でテンプレートを使われています。

ということで、自分が使っているテンプレートをここに貼っておきます

テンプレートを使うと、入力や出力関連を気にしなくてよいので楽です。

整数、浮動小数、文字列の入力関数としてgetI(), getF(), getS()、連続した整数の読み込み用のgetInts()、Printlnの代わりのout()、スライスの出力を行うためのoutSlice()、補助関数として、min, max, nmin, nmax, chmin, chmax, asub, abs、C++っぽいlowerBound, upperBoundを用意しています。

また、main関数の先頭でバッファの設定をしています。

2年ほどこのテンプレートを使ってやっていますが、とりあえず問題なく解答できていますのでおそらく使って大きなトラブルはないと思います。

これを自分用にカスタムするのも良いかと思います。



package main

import (
	"bufio"
	"fmt"
	"math"
	"os"
	"sort"
	"strconv"
)

var sc = bufio.NewScanner(os.Stdin)
var wr = bufio.NewWriter(os.Stdout)

func out(x ...interface{}) {
	fmt.Fprintln(wr, x...)
}

func outSlice[T any](s []T) {
	for i := 0; i < len(s)-1; i++ {
		fmt.Fprint(wr, s[i], " ")
	}
	fmt.Fprintln(wr, s[len(s)-1])
}

func getI() int {
	sc.Scan()
	i, e := strconv.Atoi(sc.Text())
	if e != nil {
		panic(e)
	}
	return i
}

func getF() float64 {
	sc.Scan()
	i, e := strconv.ParseFloat(sc.Text(), 64)
	if e != nil {
		panic(e)
	}
	return i
}

func getInts(N int) []int {
	ret := make([]int, N)
	for i := 0; i < N; i++ {
		ret[i] = getI()
	}
	return ret
}

func getS() string {
	sc.Scan()
	return sc.Text()
}

// min, max, asub, absなど基本関数
func max(a, b int) int {
	if a > b {
		return a
	}
	return b
}

func min(a, b int) int {
	if a < b {
		return a
	}
	return b
}

// min for n entry
func nmin(a ...int) int {
	ret := a[0]
	for _, e := range a {
		ret = min(ret, e)
	}
	return ret
}

// max for n entry
func nmax(a ...int) int {
	ret := a[0]
	for _, e := range a {
		ret = max(ret, e)
	}
	return ret
}

func chmin(a *int, b int) bool {
	if *a < b {
		return false
	}
	*a = b
	return true
}

func chmax(a *int, b int) bool {
	if *a > b {
		return false
	}
	*a = b
	return true
}

func asub(a, b int) int {
	if a > b {
		return a - b
	}
	return b - a
}

func abs(a int) int {
	if a >= 0 {
		return a
	}
	return -a
}

func lowerBound(a []int, x int) int {
	idx := sort.Search(len(a), func(i int) bool {
		return a[i] >= x
	})
	return idx
}

func upperBound(a []int, x int) int {
	idx := sort.Search(len(a), func(i int) bool {
		return a[i] > x
	})
	return idx
}

func main() {
	defer wr.Flush()
	sc.Split(bufio.ScanWords)
	sc.Buffer([]byte{}, math.MaxInt32)
	// this template is new version.
	// use getI(), getS(), getInts(), getF()
	
}

追加(2024/03/10)

N個が指定されていない場合

AtCoder Beginner Contest 344 B問題に、入力数Nが指定されていないパターンが出題されました。最後が0で終わるパターンだったので0かどうか判定すればよかったですが、入力数が指定されていない場合は、以下のような関数で最後の入力かどうかを判断できます。

下記コードは整数を読み込みますが、2つ目の引数が読み込んだかどうかのフラグになっています(falseの場合は、終了)。

sc.Scan()の戻り値を利用しています

func getIf() (int, bool) {
	ret := sc.Scan()
	if ret == false {
		return -1, false
	}
	i, e := strconv.Atoi(sc.Text())
	if e != nil {
		panic(e)
	}
	return i, true
}

参考にした記事とか

競プロを始めた時、なぜ正解できないのか悩みました。色々記事を探したと思いますが、当時見た記憶があるリンクを貼っておきます。他にも、いくつか見た記憶はあるのですが、探しても見つからなかったので1つだけ貼っておきます。

情報がなければきっとハマりまくってたと思います。非常に助かった記憶があります。

【Golang】fmt.Scanとbufio.Scannerの速度比較

AtCoder参加に役立つライブラリなど

以下に、AtCoder参加に役立つ記事の一覧をまとめています。気になる方はアクセスしてみてください。

あわせて読みたい
AtCoderで役立つ記事一覧(Python, Go言語)
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まとめ

Go言語を使っている人が少ないので、情報も少ないです。また、ライブラリもあまり完備されていないので自作する必要もあります。

Go言語を競プロで使う人が増えたら良いなと思っているので、自分が使っているコードなどを時々紹介していきたいと思います。

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ある/Aru
ある/Aru
IT&機械学習エンジニア/ファイナンシャルプランナー(CFP®)
専門分野は並列処理・画像処理・機械学習・ディープラーニング。プログラミング言語はC, C++, Go, Pythonを中心として色々利用。現在は、Kaggle, 競プロなどをしながら悠々自適に活動中
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