2変数の離散型確率の平均と分散、相関係数を求める演習
ここでは、2変数の離散確率に関して実際に演習問題を解いてみます。
こちらの記事も参考にしてください。
問題
確率分布が次の表で示される場合に、期待値$E[X]$と$E[Y]$、分散$V[X]$と$V[Y]$、共分散$C[X,Y]$および相関係数$\rho _{xy} $を求めなさい。
X\Y | 1 | 2 | 3 | 計 |
---|---|---|---|---|
1 | 1/12 | 1/12 | 4/12 | 1/2 |
2 | 3/12 | 3/12 | 0 | 1/2 |
計 | 1/3 | 1/3 | 1/3 | 1 |
解答
解答は以下のようになります。
期待値E[X]の計算
期待値$E[X]$は、表の行(縦方向)の計から計算できます(表の右側の計の列)。具体的には以下になります。
$$ \begin{eqnarray} E[X] &= &1 \times \frac{1}{2} + 2 \times \frac{1}{2}\\ &=& \frac{3}{2} \end{eqnarray} $$
期待値E[Y]の計算
期待値$E[Y]$は、表の列(横方向)の計で計算できます(表の下の計mの列)。具体的な計算は以下になります。
$$ \begin{eqnarray} E[X] &= &1 \times \frac{1}{3} + 2 \times \frac{1}{3} + 3 \times \frac{1}{3}\\ &=& \frac{6}{3} = 2 \end{eqnarray} $$
分散E[X], E[Y]の計算
$V[X]$, $V[Y]$は、次の公式を使って求めます。
$$V[X] = E[X^2] – E[X]^2$$
$E[X]$は計算しているので、$E[X^2]$を計算する必要があります。
$$ \begin{eqnarray}
E[X^2] &= &1^2 \times \frac{1}{2} + 2^2 \times \frac{1}{2}\\
&=& \frac{5}{2}\\
\end{eqnarray} $$
あとは、公式に従って$V[X]$を求めるだけです。
$$ \begin{eqnarray}
V[X] &=& E[X^2] – E[X]^2 \\ &=& \frac{5}{2} – \left(\frac{3}{2}\right)^2\\ &=& \frac{1}{4} \end{eqnarray} $$
$V[Y]$についても同様に計算すればOKです。
$$ \begin{eqnarray} E[Y^2] &= &1^2 \times \frac{1}{3} + 2^2 \times \frac{1}{3} + 3^2 \times \frac{1}{3}\\ &=& \frac{14}{3}\\ \end{eqnarray} $$
$$ \begin{eqnarray}V[Y] &=& E[Y^2] – E[Y]^2 \\ &=& \frac{14}{3} – 2^2\\ &=& \frac{2}{3} \end{eqnarray} $$
共分散$C[X, Y]$の計算
共分散は、定義通りに計算します。
$$ \begin{eqnarray} C[X,Y] &=& 1 \times 1 \times \frac{1}{12} + 1 \times 2 \times \frac{1}{12} + 1 \times 3 \times \frac{4}{12} + 2 \times 1 \times \frac{3}{12} + 2 \times 2 \times \frac{3}{12} + 2 \times 3 \times 0\\ &=& \frac{11}{4} \end{eqnarray} $$
相関係数の計算
相関係数は、以下の式で計算できます。
$$
\frac{\sigma_{xy}}{\sigma_x \sigma_y}
$$
ここまで計算した値を当てはめていけば、以下のようになります。
$$ \begin{eqnarray} \rho_{xy} &=& \frac{\sigma_{xy}}{\sigma_x \sigma_y}\\ &=& \frac{\frac{11}{4}}{\sqrt{\frac{1}{4}} \sqrt{\frac{2}{3}}}\\ &=&\frac{11\sqrt{6}}{4} \end{eqnarray} $$
まとめ
表が与えられて、期待値と分散、相関係数を求めるという問題の解き方について説明しました。計算の方法はそれほど難しくありませんが、計算は煩雑です。
検算はしていますが、計算間違ってたらすみません・・・
ケアレスミスが多い方なので・・・