ChromebookでC/C++, Python, VSCodeのオフライン環境を構築する
最近、新しくIntel N100搭載Chromebook「IdeaPad Flex 3i Gen8」を購入しました。とりあえず、C/C++, Python, VSCode(code-server)をインストールしたので手順を紹介します。ほぼオンラインで使うのであまり使うことはないですが、オフライン状態でちょっと試したい場合などに便利です。
Chromebookをオフラインで使う
Chromebookを開発に使う場合、ネットにつながる環境であれば、以下のようにクラウド上のツールを使うことで大抵の開発が行えます。
- PythonをNotebookで使いたければGoogle Colabなどのノートブック環境
- エディタを使いたければオンライン版のVisual Studio Code
- プログラム開発をしたければGithub Codespacesなどの開発環境
ただ、たまにネットに繋がってない状態で「ちょっとだけ動かして確認したい」ということがたまにあります。
こういう時に、ローカルで実行可能なオフライン環境を用意しておくと便利です。
この記事では、とりあえずVSCodeライクなエディタ、C/C++環境、Python環境をオフラインで利用できるようにする手順について解説します。
ちなみに、実際にインストールしたのはIntel N100搭載Chromebook「IdeaPad Flex 3i Gen8」になります。私が購入したときは、タイムセールで3万円を切っていました。
Windows11でも快適に使えると評判のN100だけあってサクサク動きます。
Linux環境を設定
Linuxが動作するようにする
ChromebookではLinux環境が用意されています。デフォルトではOFFになっているので、インストールして使えるようにする必要があります。
Chromebookで「設定」を開き→「詳細設定」→「デベロッパー」を選択します
「Linux環境設定」で「オン」にするとセットアップ(少し時間がかかります)されてターミナルが使えるようになります。この時、割り当て容量などを聞かれますので適当に設定してください。ちょっとした環境をインストールするだけなら10GBくらいで十分だと思います。
これで、ターミナルが開けるようになります。
ChromebookのフォルダをLinuxから見えるようにする
chromebookのフォルダをLinuxから見えるようにするには、chromebookのファイルアプリで、フォルダを右クリックして、「Linuxとの共有を管理」を選択します。
ローカルのフォルダだけでなく、Googleドライブのフォルダも共有することができるので意外と便利です
共有したフォルダは、Linux側では/mnt/chromeos/
以下にマウントされます。
Code-Serverのインストール(VSCode)
Linux環境を起動すれば、ChromebookにVSCodeをインストールすることは可能です。でも、L表示関連が少し重いのでもっさりした動作になってしまいます。
ChromebookはCoromeブラウザの表示は高速なので、VSCodeではなくcode-serverを使ってブラウザ経由でVSCodeにアクセスほうが快適です。
以下手順です。
インストール
code-serverのページに載っているインストール方法に従ってインストールします。Linuxのターミナルを開いて以下のコマンドを実行します。
curl -fsSL https://code-server.dev/install.sh | sh
code-serverを起動する
起動は、コマンドラインでcode-server
と入力するだけです
code-server
これで、code-serverが起動します。
デフォルト設定では、localhost:8080
にアクセスすればVSCodeの画面が表示されます
初回ではパスワードを要求されますが、~/.config/code-server/config.yaml
に書かれていますので、それをコピペすればOKです。
画面をみたらわかるように、ほぼVSCodeです。
C/C++開発環境のインストール
C/C++の開発環境のインストールは、ubuntuなどと同じです。デバッガ(gdb)を含めてインストールする場合は、以下のコマンドを実行してください。
sudo apt update
sudo apt install build-essential
sudo apt install gdb
これで、gcc, g++がインストールされます。
Python環境のインストール
Linuxにはすでにpython3がインストールされていますが、minicondaをインストールしておけばpythonのバージョンなどを変更できるので便利です。
なので、minicondaをインストールすることにします。
minicondaはディスク容量を少し食うので、インストールされているpythonを使うという手もあります。
minicondaのインストール
以下のコマンドを連続して実行します。
wget https://repo.continuum.io/miniconda/Miniconda3-latest-Linux-x86_64.sh
chmod a+x Miniconda3-latest-Linux-x86_64.sh
./Miniconda3-latest-Linux-x86_64.sh
rm -rf Miniconda3-latest-Linux-x86_64.sh
以下のメッセージではEnterを押します
Please, press ENTER to continue
ライセンス条項が表示されるので、確認します。
Do you accept the license term? [yes|no]
と表示されるので、よければyes
と入力します。
インストール場所を聞かれますので、デフォルトでよければEnterを押します。
You can undo this by running ...
と表示されるのでno
を入力します。
終了したら以下のコマンドで初期化します。
miniconda3/bin/conda init
ターミナルを再起動したらシェルの先頭に(base)
という文字が追加されてたと思います。これでインストール完了です。
Pythonに必要なパッケージを入れる
あとは、必要なパッケージをインストールしておきます。とりあえず、numpy
とpandas
をインストールします。
conda install numpy pandas
おまけ
Go言語は、最新のバージョンでなくて良いならapt install
でインストールできます。
sudo apt install golang
インストールされたバージョンを確認する場合は以下のコマンドを実行します。2024.4.25日現在では、ver1.19でした。
go version
まとめ
以上、エディタとC/C++環境、Python環境をChromebookに構築する方法を説明しました。たまにオフラインで使う時に重宝しますのでインストールしておいて損はないと思います。