確率・統計
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重積分(極座標への置換積分)

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Aru

ここでは、以下の問題の解法を紹介したいと思います。

問題

$$ \int_{-\infty}^{\infty}\int_{-\infty}^{\infty}{e^{-x^2-y^2}}dxdy = \pi を導け。 $$

慣れると「$e^{x^2+y^2}$の積分だから、円が関係してそう、$\pi$が出てくるのでは?」って感でいける見たいですが、私はそこまで慣れてませんので、地道にやります。

問題

理解した範囲で書いていきます。

問題

$$ \int_{-\infty}^{\infty}\int_{-\infty}^{\infty}{e^{-x^2-y^2}}dxdy = \pi を導け。 $$

上にも書きましたが、勘が良ければ$\pi$が出てきたところで、極座標変換の問題だと気付くそうです。

解法

$x,y$を以下のように置換します。この問題、極座標を使おうと考えるところが全てな気がします。

$$
x = r\mathrm{cos}(\theta)
$$
$$
y = r\mathrm{sin}(\theta)
$$

$dx,dy$を$dr, d\theta$に置換したので、置換積分するときは$dxdy$を$dr d\theta$で表現してあげる必要がありあます。ヤコビアン$|J(r,\theta)|$を求めればよいのですが、最初は、まずここでつまずきます。ここがわかりにくい!!

気づくには、慣れが必要そう

何をしているかというと、小さい面積$dxdy$を$dr d\theta$で表現した場合に同じサイズになるように調整するための係数を計算しています(数学関連の人には怒られそうな、結構いい加減な表現を使っています)。

とりあえず、

$$ \begin{eqnarray} J(r,\theta) &=& \left[ \begin{array}{cc} \frac{\partial x}{\partial r}&\frac{\partial x}{\partial \theta}\\ \frac{\partial y}{\partial r}&\frac{\partial y}{\partial \theta} \end{array} \right]\\ &=& \left[ \begin{array}{cc} \mathrm{cos}(\theta)&-r\mathrm{sin}(\theta)\\ \mathrm{sin}(\theta)&r\mathrm{cos}(\theta) \end{array} \right]\\ & =& r \mathrm{cos^2}(\theta) + r \mathrm{sin^2}(\theta)\\ &=& r \end{eqnarray} $$

となります。このヤコビアンについては、下の【大学数学】重積分②(累次積分法)の動画を見たほうがわかりやすいかと思います。「??」と言う方は、下の動画を確認ください。

で、$J(r,\theta)$が求まれば、それぞれの値の範囲は$x: -\infty \rightarrow \infty $, $y: -\infty \rightarrow \infty $の場合、$r: 0 \rightarrow \infty $, $\theta : 0 \rightarrow 2\pi $となるので、以下のように書き換えることができます。

$$ \begin{eqnarray} \int_{-\infty}^{\infty}\int_{-\infty}^{\infty}{e^{-x^2-y^2}}dxdy = \int_{0}^{2\pi}\int_{0}^{\infty}{e^{-r^2}}\cdot rdrd\theta \end{eqnarray} $$

まず、以下の部分だけ計算してみます。

$$ \begin{eqnarray} \int_{0}^{\infty}{e^{-r^2}}\cdot rdr \end{eqnarray} $$

$r^2 = u$とおくと、

$u : 0 \rightarrow \infty$

$dr = \frac{1}{2r} du$

なので、

$$ \begin{eqnarray} \int_{0}^{\infty}{e^{-r^2}}\cdot rdr &=& \int_{0}^{\infty}{e^{-u}}\cdot r \frac{1}{2r}du\\ &=&\frac{1}{2}\left[-e^{-u} \right]_0^{\infty}\\ &=&\frac{1}{2} \end{eqnarray} $$

元の式にこれを代入して、

$$ \begin{eqnarray} \int_{0}^{2\pi}\int_{0}^{\infty}{e^{-r^2}}\cdot rdrd\theta &=& \int_{0}^{2\pi} \frac{1}{2} d\theta &=& \frac{1}{2} [\theta]_0^{2\pi}\\ &=& \frac{1}{2} \cdot 2\pi\\ &=& \pi \end{eqnarray} $$

となり、

$$ \int_{-\infty}^{\infty}\int_{-\infty}^{\infty}{e^{-x^2-y^2}}dxdy = \pi $$

が導出できました。

とにかく、ヤコビアンが曲者で、理解が難しいです。でも、そこさえクリアすればすんなり頭にはいってきますので、頑張りましょう

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ある/Aru
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IT&機械学習エンジニア/ファイナンシャルプランナー(CFP®)
専門分野は並列処理・画像処理・機械学習・ディープラーニング。プログラミング言語はC, C++, Go, Pythonを中心として色々利用。現在は、Kaggle, 競プロなどをしながら悠々自適に活動中
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