離散確率で頻出する二項定理って?
$$
\left( a+b \right)^n = \sum_{k=0}^{n} {}_n\mathrm{C}_ka^kb^{n-k}
$$
はじめに
この記事は、離散確率の学習で頻出する二項定理について、自身の復習をかねて書いたものになります。
二項定理とは、$\left( a+b \right)^n$を展開する時に非常に役に立ちます。上に書いたように離散確率を取り扱う場合に結構お世話になります。
二項定理
二項定理の公式自身は簡単で、以下のようなものになります。
$$
\left( a+b \right)^n = \sum_{k=0}^{n} {}_n\mathrm{C}_ka^kb^{n-k}
$$
${}_n\mathrm{C}_k$の部分は、パスカルの三角形と呼ばれるやつと同じです。
左辺から右辺への変形、右辺から左辺の変形のどちらもよく利用します。この変換は覚えておいて損はありません。
ちなみに、反復施行の確率の計算でも利用します。
私が学習している範囲では、aとbのうち片方が1のパターンが結構多いです。この場合、式は以下のようになります。
$$
\left( 1+x \right)^n = \sum_{k=0}^{n} {}_n\mathrm{C}_kx^k
$$
この場合は、右辺から左辺への変換が比較的多いです。
微積分
また、これを微分したり積分したりすることがあります。
微分
$$
n\left( 1+x \right)^{n-1} = \sum_{k=0}^{n} {}_n\mathrm{C}_kkx^{k-1}
$$
積分
$$
\frac{1}{n+1}\left( 1+x \right)^{n+1} =
\sum_{k=0}^{n} {}_n\mathrm{C}_k \frac{1}{k+1}x^{k+1}
$$
微分
$\left(1+x \right)^n$の微分は、以下の合成関数の微分公式を使います。
$$
{ f(g(x)) }’=f'(g(X))g'(x)
$$
$y = g(x) = 1+x$とすると、$f(g(x)) = (1+x)^n= y^n = f(y)$となるので、
$$
\frac{df}{dy}=ny^{n-1}
$$
また、
$$
g'(X)=(1+x)’=1
$$
なので、
$$
{ f(g(x)) }’ = f'(g(X))g'(x) = ny^{n-1}\cdot1 = (1+x)^{n-1}
$$
となります。
積分
$\left(1+x \right)^n$の積分は、置換積分です。$u = 1+x$とおくと、$du=dx$なので、以下のようになります
$$
\int(1+x)^ndx=\int u^ndu=\frac{1}{u+1}u^{n+1}+定数
$$
となります。
ちなみに、直接は関係ないけど
$$
\lim_{n \to \infty}\left(1+\frac{1}{n} \right)^n
$$
は、ネイピア数($e$)になる。これも結構使うので覚えておくと良いでしょう。